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クルマとバイク、ときどき自転車

【日本一周の記録】11日目 ホームシック

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2013年8月15日(木)

いつもより早く目が覚めた。このホテルの冷房は強すぎるうえに布団が薄い。エアコンの温度は一律制御されており、部屋側からはオンオフの切替しかできないクソ仕様だった。かといってオフにすると途端に暑くなる。風量を最弱にして眠りについたが、案の定熟睡できなかった。

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缶コーヒーを湯で温めて飲む


本日も快晴、絶好のバイク日和だ。しかしそれに反して腹の調子が悪い。ホテルの冷房にやられたのかもしれない。市街地を抜けてしまってコンビニも見当たらない。まずい、グルグルと腹が音を立てて危険信号を告げている。漏らすくらいならNOGUSOするしか…なんて事を考え始めていた頃に道の駅を発見。助かった。

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緊急ピットインした道の駅 にしね
腹の問題もひとまず解決した。腹の痛くない世界はこんなにも素晴らしく美しい。今日は良い1日になりそうだ、と思った。しかし現実は思い通りにはいかないのであった・・・


津軽街道から安比(あっぴ)高原へ入った。景色が良く交通量も少ない、まさに快走路。重装備のため、普段のVTRのようなヒラヒラと倒し込める軽量感はないものの、荷物整理が効いており安心して走れる。ここ数日国道ばかりを走っていたため、久しぶりのワインディングを楽しんだ。

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快走路の安比高原

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ラクターと謎の機械。すごく痛そうな見た目。巻き込まれたら助かりそうにない。


国道に戻ったらそして再び腹の調子も悪くなった。なんとかコンビニまでたどり着き、トイレを借りる。ヤマは越えたが不調は続く。ついでに下痢止めを買おうと思ったが置いていなかったため、近くのドラッグストアへ行き、下痢止めを購入した。


ドラッグストアのレシートを見て、いつの間にか秋田県に入っていたことに気が付いた。岩手からそのまま青森へ行くと思っていたが、想像よりも内陸側にいたらしい。小さな町を抜けると、十和田湖という湖にたどり着いた。

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十和田湖。この湖が青森県秋田県の県境となっていた。

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十和田湖を抜けると、国道は奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)という原生林の中へと続いていた。緑に囲まれた道の脇には大小の滝が現れ、昼間とは思えない涼しさを感じる。この涼しさが腹に直撃しないといいのだが…

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続いて八甲田に入る。雪中行軍の遭難で有名な豪雪地域だが、さすがに8月ともなれば残雪も見当たらず、景色の良い高原といった印象で、とてもそんな悲劇があったとは思えない。発見時、仮死状態で立っていたという雪中行軍の遭難者をかたどった像が、その史実を静かに物語っていた。像の前で手を合わせ、快晴の八甲田を走り抜けた。

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腹の調子はだいぶマシになったが、今度はどうも体調が悪い。風邪でもこじらせただろうか。万全の状態で北海道を走るべく、今日はもう走るのはやめて休むことに決めて青森市内のホテルをとった。


ホテルに着く頃にはもうフラフラだった。たぶん熱がある、それもなかなかの高熱っぽい。フロントに言えば体温計を借りられたと思うが、測った数字を見たら気持ちで負けてしまいそうだったので、測らなかった。まだ16時、今はとにかく体力を回復させるために寝よう。追加で買った風邪薬を飲んで、シャワーも浴びずに眠りについた。




22時か23時くらいに目が覚めた。さっきに比べるとかなり楽になっている。薬が効いてきたんだろうか。市販の風邪薬なんて普段は飲まないので、その分抜群に効いてくれたのかな。とはいえ無理はせず、ホテル内の食堂で食事をとった。

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遅い時間だったので、食堂には私ひとり


少し元気になると、余計なことを考えるようになる。こんな遠い場所で、知り合いもおらず体調を崩している自分が情けなくなってきた。旅立ち以来、はじめてのホームシックだったかもしれない。部屋に戻り、久しぶりに自分から親に電話した。心配させないため、体調を崩したことは言わなかったが。楽しいばかりじゃない旅の側面を知った1日だった。